幽霊船 怒りのポートフォリオ

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損切りできない人にオススメの本!『行動経済学入門』を読んでみた

こんにちは幽霊船です(`・ω・´;)

さてさて、日々、相場を眺めていると株価が上がっている時にはソワソワしてツマミ買いしたくなったり… 逆に株価が下がってるときには持ってるものを手離したくなったり…ちょっとの利益ですぐ手放すくせに含み損銘柄は頑なに握りしめたり… いったい全体こういう心の機微ってやつはどこからやってくるんでしょうかね?

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今回、実際どこまで投資の役に立つかは、まったくわかりませんが日本経済新聞出版社の『行動経済学入門』なる本を読んでみたので簡単にですがレビューしてみたいと思います。

行動経済学入門

そもそも行動経済学とは何ぞや?って話なんですが、従来の経済学を批判し、心理学的な要素を取り入れた分野です。簡単にいうと効率的市場仮説なんてデタラメで人間は合理的じゃない生き物だよ、と謳っています。

感想なんですが、まぁ、読んでみて良かったですかね。数式がでてきて取っ付きにくかったり、説明が解りにくく感じる部分もありますが、あくまで読み物ではなく教科書として見ればそこそこ良書だと思います。

内容ですが、この本は下記の第1章から終章で構成されていて

 第1章 行動経済学とは何か?
 第2章 人間はどこまで合理的か?
 第3章 近道を選ぶと失敗する
 第4章 プロスペクト理論
 第5章 非合理的な投資家は市場を狂わす
 第6章 人間は「超」自制的か?
 第7章 人間は他人の目を気にするもの
 終章 心理学的アプローチの限界と可能性

1章と2章では従来の経済学への批判と人間の非合理性について、そして3章から5章までが投資の意思決定に関係しそうなことが書いてあります。(6章から終章までも読んでみる価値はあります)

4章のプロスペクト理論は特に有名ですね。

ここでは3章から5章までを取り上げてみたいと思います!(`・ω・´;)

ヒューリスティックス『近道選び』

まずは3章で書かれているヒューリスティックス『近道選び』ですが、これ不確実性が存在する下で頻繁に起こっているそうです。このことによって発生する間違いを私達はバイアスと呼んでいます。どういうことかと言うと不確実性がある場合に本人の考える主観的な確率評価が客観的な確率評価と食い違うってことですね。こういったことが何故起こるかと言うと、判断材料が不足していたり、コストをかけずスピーディーに結論を出す為には、ある種の直感みたいなものを頼りにする必要があるからです。

代表的な3つの近道選び(ヒューリスティックス)

①代表性

代表性の近道選びとは

「XがYに含まれる確率はいくらか」や「WがZを生み出す確率はいくらか」という問題設定にもかかわらず、厳密な確率判断の代わりに、「XはYにどれくらい『似ているか』」「ZはWの特徴をどれくらい『代表しているか』」

といった様に法則がないところにあえて法則を見出だすことを指します。

②利用可能性

利用可能性の近道選びとは頭に思い浮かびやすい事象に対しては過大な確率を、逆に思いつきにくい事象に対しては過小な確率を与えることを指します。

具体的な症状としては、例えば、多数の人物の名前を列挙したリストを見せて、「このリストには男性と女性のどちらが多いか?」と尋ねた場合に、もしリストに芸能人や政治家など有名な男性の名前を多く含んでいれば、「男性の方が多い」と答えてしまうというような傾向が考えられます。

要は手っ取り早く手に入る情報を優先するってことですね。

③係留効果

係留効果の近道選びとは人々が物の大きさや価格などの数量的な評価を行う際、答えがその時にもたらされている情報に左右されるということを指します。

①「ミシシッピ川は70マイル以上か以下か?」という問題提起の後に出される「ミシシッピ川の全長はどれくらいか?」という質問に対する回答

②「ミシシッピ川は2000マイル以上か以下か?」という問題提起の後に出される「ミシシッピ川の全長はどれくらいか?」という質問に対する回答

この2つの回答を比べ、前者が後者よりも統計上有意に小さければ、質問を受けた回答者は、「70マイル」や「2000マイル」という与えられた情報に影響を受けているということが予想されます。

これは

  1. 人々の思考がある出発点からスタートし、これを調整する
  2. 人々は一般的に設問に含まれた情報を正しい答えに繋がるヒントとして捉える
  3. 人々は自分の中にある知識や記憶が設問に含まれた情報と矛盾しないように調整してしまう

ことによって起こります。

情報は時に必要以上の影響力を持つといったことですね。

この他にも

  • 人は自分の所有しているものを過大に評価する
  • 人は認知不協和を避ける性質がある

などといった特徴が紹介されています。

例えば、ある銘柄の株価が今後上昇しつづけると信じて、この株を購入した投資家は、現実に株価が下落するという状況に直面した場合には、「下落は一時的なもの」などと自分を納得させるかもしれません。このようにして投資家が購入した株式に固執するのであれば、これは認知不協和を避けるという行動がもたらす歪みであるといえるでしょう

上記なんかは最たる例ですね。

プロスペクト理論

さて、お次は第4章のプロスペクト理論です。不確実性が存在する下で人々はどういう行動パターンに従うのか?がテーマになります。有名な理論なのでググれば色々とでてくると思いますが大雑把にまとめると下記の2点になります。

  1. 同じ大きさなら利益より損失の方が重大に感じる
  2. 利益局面でリスク回避的、損失局面でリスク志向的

下記のサイトではグラフと合わせて分かり易く書かれてます。

 冒頭で述べたように、この理論のおかげでぼくたちは薄い利益ですぐ手放しちゃったり、含み損銘柄を頑なに握りしめたりしてるんですね...恐るべし!プロスペクト理論(`・ω・´;) 

非合理的な投資家は市場を狂わすか?

 さて、最後は第五章です。この章では「合理的でない投資家の存在によってなぜマーケットがうまく機能しなくなるのか」といったことをテーマにしています。

 そもそも行動経済学は従来の経済学を批判している立場なので、効率的市場仮説の観点はありません。すなわち

合理的な投資家による市場裁定

といった仮定をノイズ・トレーダー・モデルを用いて崩しにかかります。

また行動経済学によるバブルの解明についても触れています。

まとめ

小難しい内容も出てくるんですが、ちょっとアカデミックな感じがして読後感は悪くないですね。普段まったく勉強しないので新鮮な気持ちになりました。また比較的新しい分野である行動経済学ですが、行動経済学の理論を脳科学の観点から実証しようとする『神経経済学』なる流れもあるそうです。

(`・ω・´;)なんかSFチックですね...

この本を読んだからと言って投資成績が上がるわけではないですが、自分がどういった行動原理で取引を行っているのか振り返ってみる良いきっかけにはなるかも知れません。

それでは!(`・ω・´;)